24/08/2026

富良野広域連合消防本部の119番通報でのwhat3words活用事例

森の遊歩道や畑、見慣れない道から119番通報が入ったとき、通信指令員がまず確認しなければならないのは「現場は正確にどこなのか」という、最も重要でありながら難しい問題です。

日本の住所表示は市街地を移動する上ではよく機能しますが、公園や森林、地方の道路、広い敷地などでは住所だけでは不十分な場合があります。こうした場所では、住所が示すのは建物の入口やおおまかなエリアにとどまり、通報者の正確な位置を表せないことがあります。そもそも住所が存在しない場所も少なくありません。

what3wordsは、位置を伝えるもうひとつの方法です。世界中を3メートル四方の区画に分割し、それぞれに3つの単語からなる固有の住所を割り当てています。駐車場の中心から北海道のある登山道の分岐点まで、あらゆる場所に専用のwhat3wordsアドレスがあります。

富良野広域連合消防本部の活用方法

2026年8月10日、富良野広域連合消防本部は119番通報にwhat3wordsを正式導入した、日本で初めての消防機関となりました。対象エリアは富良野市、上富良野町、中富良野町、南富良野町、占冠村です。位置情報を特定する手段にwhat3wordsを加えたことで、住所が存在しない、あるいは曖昧な場合でも、通信指令員は現場の位置を特定する新たな手段を得ることができます。3つの単語からなるアドレスをシステムに入力すれば、該当する3メートル四方の区画を特定できます。

江別市消防本部でも現在what3wordsの試験導入が進められており、また日本の自治体で使われている緊急通報プラットフォーム「Smart119」を通じてもwhat3wordsの位置情報を利用できます。

富良野の事例は、既存の位置特定方法と組み合わせてwhat3wordsを119番通報対応に取り入れる、他の消防・救助機関にとっての先行事例となります。

従来の位置特定方法だけでは足りないケース

住所だけでは現場の正確な入口や場所を特定できないことがあり、海岸や畑、山など、そもそも住所自体が存在しない場所もあります。GPS座標は非常に正確ですが、長い数字の羅列は、特に緊迫した状況で音声だけで伝えるのは容易ではありません。ピン留めした位置情報はデジタルで共有する分には便利ですが、電話口で伝えるのには向いていません。

what3wordsアドレスなら、正確な位置を短く、声で伝えやすい形で表現できます。what3wordsアプリはモバイルデータ通信がなくても3ワードアドレスを特定でき、日本語を含む60以上の言語に対応しています。

消防本部の意思決定者にとっての意味

what3wordsの導入を検討している消防・救急機関にとって、この技術はAPIやSDKを通じて既存の地図・指令システムに組み込むことができ、別の位置特定プロセスを新たに設けるのではなく、既存のワークフローの中で活用できます。

富良野の導入事例は、通報者が正確な住所を伝えられない場合に、what3wordsが119番通報対応をどう支えられるかを示す実践的な例です。既存の位置特定方法に置き換わるのではなく、通信指令員が現場位置を特定するための手段をもうひとつ加えるものです。

イギリス、アメリカ、ドイツ、オーストラリアなど各国の緊急通報機関が、位置特定の補助ツールとしてwhat3wordsを活用しています。日本では、富良野広域連合消防本部が2026年8月10日、119番通報でwhat3wordsを正式導入した最初の消防機関となりました。江別市消防本部でも過去にwhat3wordsの実証実験が行われています。

what3wordsの導入を検討している緊急通報機関の方は、 what3words.com/business/emergency で詳しい情報をご覧いただけます。

what3words Facebook flyer - Japan